2008年7月28日更新 記者 まゆみん


引越し時の敷金トラブルを未然に防ぐには

新しい家に引越しをする際、今まで住んでいた家の現状回復に関するトラブルが今でも起きています。今回は、そのような敷金トラブルに巻き込まれた時の対処方法を調べてみました。

引越し時のトラブルを未然に防ぐために、平成10年に国土交通省はガイドラインを設けています。

不注意で部屋の価値を損ねてしまった場合は入居者が負担をしなければなりません。しかし、フローリングや畳の色落ちなど、日常生活をしている中での損耗に対しては、家賃の中に含まれている解釈になります。つまり、退去時に請求できないという事になっているのです。

「壁が黄ばんでいるから敷金から引きますよ」と言われたら、「国土交通省のガイドライン」では自然に黄ばんでしまったものは、毎月の家賃から支払っている事を主張してください。

しかし、相手もプロです^^
ガイドラインは法律ではないのです。あくまで、賃貸に関する「基準」を明確にしているだけで罰則規定はありません。契約書に「全てのものを原状回復のために退去時に支払わなければならない」と書いてあるかもしれません・・・(そんな悪徳業者はいないとおもいますが・・・)

そのような時は裁判の判例を活用してください。ガイドラインを尊重し、敷金の返還を命じる裁判も存在しています。敷金返還請求事件 最高裁判所第二小法廷判決家を借りる時は、ガイドラインと契約書を見比べながらチェックしていくのが、私達消費者にできる最大のトラブル防止法になるのです。

ガイドラインを設けたのは国土交通省ですが、その運営は宅地建物商取引主任者(宅建)の国家試験を行う「不動産適正取引推進機構」が行っています。実際に裁判で争われた判例などが載っているのでぜひ覗いてみて下さい。財団法人 不動産適正取引推進機構

ではここで一つ、判例をクイズ形式で出していきたいと思います。今後の契約時のために覚えといてくださいね!

事例その1

シミズさんは退去時に原状回復費を負担するという「特約」のある契約をして、敷金20万円を支払ってアパートの一室を借りました。しかし4年後に引越しを決め出て行こうとしたときに、大家さんが「原状回復費として20万かかるから最初に預かった敷金の20万円は返せないよ」と、敷金の返還を拒否しました。

しかしシミズさんは普通に生活していただけで、特に壁紙やフローリングをひどく汚してしまった!という事実はなく、原状回復費として最初に預けた敷金が返ってこないことに納得できず裁判で争うことになりました。さて、この裁判の行方は・・・?


・・・裁判の結果は・・・

シミズさんの勝利でした。この契約だと賃借人が一方的に「不利益」になり民法が基本とする「信義則」(権利を行使するときや義務を履行するときは、誰かを不幸にすることなく信義に従って誠実に行わなければならないという原則)に反します。

この契約は消費者契約法第10条後半で「消費者の利益を一方的に害するものは無効とする」というのに当てはまり、「原状回復費を負担する」という特約は無効になる!との判決でした。皆さんも契約書でこの特約がないか確認しましょう!